揖斐川町長選アンケート:結果

(10/29追記)候補者へのインタビュー動画をページ最下部に追加しました。

昨今、政治への期待や関心の低下や、投票率の低下が深刻化しています。全国の市区町村選挙の投票率は、過去20年間で約10%低下しました。揖斐川町においても、2013年から2016年にかけて町長選投票率は9%低下しています。「よだかの学校・政治をDIYするゼミ」では、有権者の興味関心を高め、まちづくりにおける当事者として選挙に参加してもらうことが、よりよいまちづくりにとって必要なことだと考え、各候補者の考え方や人物像を、中立的にわかりやすく発信するためのアンケート調査を実施しました。アンケートの作成は、全4回、35名(のべ)が参加したゼミの開催と、町民・関係者45名から回答を得た事前調査をもとに、住民参加型で行いました。

 対象は、今回の揖斐川町長選挙(10月25日告示、11月1日投開票)への立候補を表明している岩間誠さん、岡部栄一さん(50音順)の両氏。内容は、①目玉政策、②人口問題対策・参考とすべき先進事例、③増やすべき予算・減らすべき予算、④現在の町政への評価、⑤対話・説明の姿勢と具体策、の計5問(記述式)です。10月9日に調査票を選挙事務所へ持参し、10月18日までに両氏から回答を得ました。 回答の概要は下記となります。岩間さんからは、まちづくり基本条例の制定、事業政策の総点検など。岡部さんからは、町民とのコミュニケーションの充実化や、関係人口との繋がり強化などが挙げられました。 

以下、回答の詳細です。

設問1 目玉政策

街の持続的な発展のためにあなたが行う最も特徴的な政策と、それを進めることで揖斐川町が具体的にどのように変わっていくか、200字以内で記載してください。

岩間誠さん
揖斐川町は11地域に分かれており、それぞれの地域には、特徴ある宝が存在しています。その宝を活かし育てていくために、地域のことは地域で考えてもらい、それをバックアップしていく、まちづくり基本条例を制定します。これによりそれぞれの地域の独自性を出してもらい、地域の課題を解決してもらいます。良い意味での地域間競争を促し、それぞれの地域の活性化を目指し揖斐川町全体のまちづくりの目玉としていきます。

岡部栄一さん
「声なき声を聞こえる声に」という取り組みです。区長会、審議会、ワークショップなど、町民の皆さんの声を伺う機会は様々あるわけですが、それでも知ることの出来ない声、意見がたくさんあります、いわゆるサイレントマジョリティーの方々の声です。こうした方々の声を町政に反映できる取り組みをし、これにより町政がより身近なものになり、多くの町民の方が町づくりに参画しようとする機運が高まると考えます。

設問2 人口問題

岐阜県がまとめたデータ(20年9月更新)によると、揖斐川町では1990年以降2019年まで、人口の自然減少と転出超過が続いています。人口問題について、どのような対策をとれば良いと考えますか。また、その対策について、揖斐川町が参考とすべき自治体や取り組み事例があれば、その理由とともに、それぞれ200字以内で記載してください。

岩間誠さん
①人口問題対策
まちづくり基本条例に基づく六次産業を興し若い世代がUターン、Iターン、Jターンできる土台を作っていきます。ネット環境を整えてITを仕事とする若者が定住できる環境を作ります。子育て支援策の継続とさらなる充実を図ります。病児病後保育については、当日や土日祭日の受け入れについて検討していきます。揖斐高校やサンビレッジ専門学校などと協定を締結し地元の就職を促します。
②参考とすべき事例とその理由
徳島県神山町、上勝町。葉っぱビジネスにより、お年寄りの生きがい対策となっている。IT環境の整備をすることにより、多くの若者たちが流入している。

岡部栄一さん
①人口問題対策
日本全体で人口が減少する中で、移住定住政策で人口増を図ることには限界があります。そこで、移住定住政策を推進しつつも、同時に、町外に住む揖斐川町出身者、揖斐川町に勤務したことのある人、訪れたことのある人、興味を持っている方など、揖斐川町に関わりのある人たち、いわゆる関係人口と呼ばれる人々との繋がりを強化して、そうした人たちに揖斐川町を応援してもらうような取り組みが重要と考えます。
②参考とすべき事例とその理由
富山県南砺市。南砺市は地域課題の自律的な解決を目指し、市民とともに南砺市に関わり、盛り上げてくれる「南砺市応援市民」という関係人口拡大施策に取り組んでいます。南砺市外に住みながらも、南砺市に愛着を持ち、応援してくれる、といった要件を満たす人を「応援市民」として市が登録する制度などを実施している。こうした町外の人の応援を得ながら町づくりを進め、その中で定住していただける人を期待したい。

設問3  予算

揖斐川町の今年度(令和2年度)の当初予算を示しました(別表)。この区分で、あなたがもっと予算を増やすべき区分と、逆に抑えるべき区分を1つずつ挙げ、その理由を200字以内で記載してください。

岩間誠さん
①増やすべき区分:民生費・衛生費
その理由:障がいのある人や高齢者、子育て支援など、福祉の充実をしていきます。平均寿命と健康寿命の差が10年ほどありますが、それを縮めるために、疾病予防対策や健康増進を充実させていきます。お年寄りが安心して暮らせる地域見守り協定の締結をします。揖斐川町版SDGsの構築や揖斐川町版新しいエコライフプロジェクトを創設します。
②減らすべき区分:総務費
その理由:合併後15年が経過し、さまざまな事業、政策の総点検が必要です。総点検後に続けるものは続ける、止めるものは止める、新たに起こすものは起こす。そうしたメリハリのある行政をしていきます。一例ですが、公共施設で使用していない施設も多々あり、そうした施設をどうしていくのか決めていきます。また、公共施設の底地が借地なのが多々あり、借地の解消に向けた取り組みをします。

岡部栄一さん
①増やすべき区分:科目レベルで増減を申し上げるのは難しい。どの科目にも予算を増やすべき分野があり減らすべき分野もあります。
その理由:予算の執行により住民生活の向上につながる効果が期待できる分野、費用対効果といいますか、より多くの効果が期待できる分野には予算をつけるべきと考えます。
②減らすべき区分:科目レベルで増減を申し上げるのは難しい。どの科目にも予算を増やすべき分野があり減らすべき分野もあります。
その理由:長期的に歳入の減少が見込まれる中で、施設の維持管理、事務的経費など経常経費、効果があまり見込めない事業はできるだけ抑えるようしないと、町づくりのための投資的経費に予算を充てることができない。

設問4 町政の評価

現在の富田町長の町政について、良いところ(継承する)と不十分なところ(改善する)を、それぞれ100字以内で記載してください。

岩間誠さん
①良いところ(継承する):新型コロナウイルス感染症について、生活支援や産業支援など、近隣市町に先駆けてさまざまな施策を講じてきました。これに限らず緊急時の対応をいち早く行っていきたいと思います。
②不十分なところ(改善する):昨年10月から揖斐川町コミュニティバスが運行されています。定期運行型とデマンド型の2種類で成り立っています。1年が経過をしさまざまな意見が出ていますので、使い勝手の良いコミュニティバスにします。

岡部栄一さん
①良いところ(継承する):コミュニティバス制度からデマンドバスシステムに切り替えるなど、現状に合わせた施策の転換を図ったこと。
②不十分なところ(改善する):住民の皆さんの声をよく聞く姿勢があまり見られず、町民の皆さんとのコミュニケーション不足の傾向がみられたこと。

設問5 対話・説明

本アンケートに先立って実施した町民向け事前調査では、将来への不安を感じることは「過疎化・高齢化・少子化」が上位を占めましたが、新町長に期待することは「対話・説明」が最も挙げられました。これらの町民の期待に、どのように応えますか。200字以内で記載してください。

岩間誠さん
町が何をしているのかを、広報誌やいびがわチャンネル、音声告知放送、マスコミなどを通じてしっかりと見える化をしていきたいと思います。まちづくり基本条例に基づく地域協議会などにもできる限り出席していきたいと思います。また、地域ごとや団体などとの町長と語る会を開催したいと思います。

岡部栄一さん
私のリーフレットにも掲げていますが、住民の皆さんの声をもっとよく聞くこと。サイレントマジョリティーといいますか、声なき声を聞こえる声にする取り組みをしたいと考えます。


※参考資料
2020年揖斐川町長選挙アンケート質問紙(PDF)
両候補の回答まとめ(PDF)


(10/29追記)候補者へのインタビュー動画を追加しました。